白い砂のアクアトープ
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「――見えた?」くくるは、そっと、がまがま水族館のヒミツを教える。 「ここではときどき、『不思議なもの』が見えることがある」夏の日差しが降り注ぐ、沖縄。 那覇市内からバスに乗り1時間あまり揺られた先に、その水族館はある。 沖縄本島南部、美しいビーチのすぐ脇にある、ちいさな、すこしさびれた「がまがま水族館」。 18歳の女子高生・海咲野くくるは、そこでまっすぐ、ひたむきに仕事をしていた。 祖父に替わって「館長」を名乗るほど、誰よりもこの水族館を愛している。 ある日くくるは、水槽の前で長い髪を揺らしな...